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「……影法師?」
「……うん。影法師」
朱理の疑問に時兎は相変わらずの無表情で小さく頷いた。短く切り揃えられた漆黒の髪がサラリと揺れる。
「……要約すると、相手の影を具現化して使役するんだ」
「成る程……。朱理の能力の影バージョンみたいな感じか?」
「……多分」
俺の問いに時兎は少し考えから頷いた。まぁ、朱理の能力を間近で見てないのだから当然と言えば当然、か。
しかし、影を操るって……いったいどんな技なのか凄く気になるな……。
「……あ、なら僕も似たような能力だよ」
そこへ口を開いたのは雪だった。その眼帯に覆われていない方の目は緩やかに閉じられている。
「僕の能力は『操り人形(パペット)』って言うんだ。朱理ちゃんのとは逆に、命あるものを使役出来るんだよ」
「……あ! もしかして、私達と最初に出会った時にブルーウルフが雪ちゃんに懐いてたのって……」
「うん。僕の能力だよ」
そうだ。確かに雪と武琉に初めて出会ったとき、雪は朱理のコピーブルーウルフを従えていた。
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