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と、そこへまた光陽鳥がその鋭い嘴を開いた。
ヤバい、また炎が来るっ……!
「青空っ、逃げて!!」
それに朱理も気付いたらしく声をかけてきた。無理もない、光陽鳥の目の前にいるのは俺1人。絶好の的だ。
だが、この狙い撃ちにされる状態から逃げようにも、もう間に合わない。喉の奥から業火が見えていて……。
「グギャアアアアッ!!」
……しかし、その炎は発射される事がなかった。そして同時に耳をつんざくような光陽鳥の奇声が辺りに響く。
「……なっ……!?」
「何……」
「うげっ!? 何だぁ!?」
「あれは……」
「ナイスだぜ!」
皆の驚きの声と、達馬の口笛が重なった。何故なら、俺達の視線の先には光陽鳥がその巨体に相応しい巨大な影によって、首を絞められている姿だったのだから。
無論、その影を操っていたのは……。
「……油断禁物だよ、青空兄」
メンバー最年少の時兎だった。
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