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時兎は携帯を片手に巨大な影を操りギリギリと光陽鳥の首を締め付ける。このまま勝てる……! そう思った瞬間。光陽鳥の影は消え、また元の影に戻ったのだ。
「……僕の能力、そんなに長く使えないんだ」
驚いて時兎を見ると、無表情ながらも申し訳なさそうな雰囲気でポツリとそう言った。
多分、影を使うと言うのは想像以上に難しいのだろう。
しかし、今がチャンスと言うのには変わりない! 時兎を除く俺達5人は互いにアイコンタクトをとり、一斉に光陽鳥に攻撃を仕掛ける。
「食らえっ!」
「うらあぁぁぁっ!!」
「……行きなさい」
「巨大な岩を複写(コピー)して落石っ!」
「……っ!」
逃げ場を失った光陽鳥への全力攻撃。夥しい量の血を吐き、傷口から溢れさせて光陽鳥は地鳴りのような音を立ててその場に倒れた。
……血に塗れても、光陽鳥の羽の輝きは失われていなかった。
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