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と、次第に光陽鳥は羽の輝きだけではない光に包まれて消え去った。同時に辺り一面にまき散らされていた筈の血も、一滴も残らず消えていた。
残ったのはキラキラと輝く光陽鳥の羽のみ……。
「……何とか作戦も成功したし、光陽鳥の羽も手に入れられたな」
「時兎君の作戦がほぼ通用したもんね!」
「……」
朱理に頭をぐりぐりと撫でられ時兎は嫌そうな表情をしているものの、内心安堵しているようで少しだけ頬が弛んでいる、と思う。
確かに今回のは上手くいった。俺と武琉、達馬が基本的な囮になり、朱理と雪の連携プレーを与えて時兎で締めを括る。
想像以上に光陽鳥が巨大だったために時兎で締められなかっただけで、他はバッチリだったしな。
そしてとりあえず、1つ目の調達品である光陽鳥の羽は手に入れた。残るは草の実だ。……まぁ何にせよ、この雪山にずっといるわけにもいかないし村にもう1度戻る必要があるだろう。
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