惨劇

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……熱い。 俺の血管がドクドクと波打ち、血が体内から溢れてるのが嫌でもわかる。 気持ち悪い 気持ち悪い 気持ち悪い ぐるぐるとそんな感情が渦巻く。呼吸をしたくても、喉が焼けるような痛みに襲われて呼吸すらままならない。咳き込むと同時に口から血が逆流してきて、更に苦しさを煽る。 殆ど動かない体に鞭打ち、微かな希望を持って無理矢理朱理に視線を向けた。しかし、やはり朱理も苦しそうに呼吸をしていて、到底“アイツ”に勝てそうにない……。 ……畜生! もっと早く気付いていれば……“アイツ”に勝てたのに! それか、俺の体が全快していれば今なら勝てるのに……! 悔しさが渦巻く。 携帯は震える手を伸ばしても、ギリギリ届かない場所に落ちていてそれがもどかしい。あと少し前進出来れば救急セットが使えるのに……っ!! 惨劇の始まりは今から半日程前。雪と武琉、達馬と時兎と別れた時まで遡る事になる……。
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