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「仕方ない、奥へ行こう」
「うん」
本当は今日はあまり動きたくない。だって午前中に『光陽鳥(ホワイト・バード)』を倒したばかりなんだ。ダメージはさほど受けてないがやはり嫌なものは嫌だ。
でも、時間のないのも確かだから仕方ない、そう割り切って俺達はシェスタ森の奥へ足を踏み入れた。
「青空、あのね……」
「ん?」
「雪ちゃんから聞いたでしょ?」
のんびりと自然を満喫していたらかけられた朱理の声。ばつが悪そうに伏せられた瞳は、それでもチラチラと俺に向けられている。だが、一瞬俺も戸惑った。脈絡もなくいきなり雪の話になったんだからな……。
「能力の話だよ……」
「……あぁ、能力が俺には2つあるって事か?」
「うん、それ」
今まで忘れかけていた記憶だが、確かにそんな話を昨日雪から聞いた。でも俺はこの事をあまり重要視していなかった訳で……。
だってそうだろ? 一番信頼しないといけないパートナーが言わなかったんだから、特に重要視しなくても良いんじゃないかと思ったんだ。
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