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「……あの、」
「ぅわ!? 死んでねーか、ワリィな」
「いや……、大丈夫だ」
俺の声に、俺を押しつぶしてると漸く気付いたらしい男は慌てて立ち上がった。重圧から解放された俺は、バレないように大きく息を吸った。
男は金色の髪をかきあげて辺りを見渡したあと、ため息をついた。
……しかし、
「うらぁっ!!」
「ふぐっ!?」
「「!!??」」
またもや草むらから飛び出して来た影に、今度は男が倒れたのだ。もう俺と朱理はあまりの出来事に目が点になっていた……。
「よーやく捕まえたわ、このど阿呆め」
「お、もたいんだよ、この馬鹿犬っ!!」
「何だと、アホ猿め!!」
男の上に乗っているのはやはり不良っぽい女の子だった。前髪部分だけメッシュの入った赤髪の女の子。あの男に負けず劣らずの目つきの悪さは……ちょっと怖いものがある。なんて口が裂けでもって言えないけどな……。
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