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こんなの……勝てる訳ねぇだろ……。
俺は何か武器になりそうな物はないかと探す。……だが、生憎今の俺の持ち物は携帯だけで、役に立ちそうもない……。
半ばもう諦めつつ狼と対峙していた時だった……。
「……誰かー!! 参加者いないのー!?」
「!」
俺の耳に入って来たのは女の声だった。しかも、彼女は“参加者”と言った。もしかしたら……彼女もこのゲームの参加者なのかもしれない……!
そう思った時にはもう行動に移していた。女の声に気を取られていた狼……もといモンスターの腹を蹴り飛ばし、俺は声のする方に走った。
彼女も俺の姿を捉えたらしく、さっきより走るスピードが上がった。
そして……、
「ハァ……ハァ……っ、君もゲームの……?」
「あぁ……、お前もだろ?」
俺の問いに彼女は力強く頷いた。
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