惨劇

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空に浮くのは、金に輝く長い髪を緩やかな風に遊ばせる悪魔の姿。髪と同じ色の金色の瞳は切れ長で、獲物を狙うかの如く俺達を見ている。 スレンダーな体に生える悪魔の翼はこの前のアスタロトと同様のもの。間違いなく、コイツは悪魔だ。 「Bonjour. ブラクロ参加者の坊や」 「……お前が、朱理を」 「うふふ、そんな事余り気にしちゃダメよ。それより、私に聞かなくちゃいけない事があるんじゃなくて?」 悪魔は飄々とした態度でふざけてみせる。朱理をこんな目にした挙げ句、そんな事呼ばわりした悪魔に自然と怒りが込み上げる。 しかし、今は冷静さを欠いてはいけない。そうもう1人の俺が告げる。 畜生……! 早く手当てをしてやりたいが、あの悪魔がどんな攻撃をしてくるかわからない今。それは危険だ。 ぐったりと横たわる朱理を目に入れつつ、俺は悪魔に聞いた。 「お前は……何者だ」 「うふふ、利口な坊やね」
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