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悪魔はふわりと微笑むと翼を1度大きく羽ばたかせて俺の目の前に移動して来たのだ。突然の出来事に体勢を崩しつつも、朱理を守るように庇い睨みつける。
赤い口紅の塗られた唇。その口角が妖しく上がった。
「Enchante. je m'apelle Mammon」
「……は?」
その唇から紡がれた滑らかな外国語に俺はつい、口を開けて聞き返してしまった。すると、悪魔はニヤニヤと笑みを浮かべて今度は俺にもわかるようにわざとらしく話してくれた。
「『はじめまして。私の名前はマモン。』、って言ったのよ」
「……」
日本語ペラペラに喋れるなら最初から話せよ。なんて思っていると、やっぱり携帯にメールが届いた。この“マモン”と名乗った悪魔のデータだろう。携帯を開いて確認をしてみる。
『悪魔レポート
悪魔ナンバー5
名前:マモン
属性:雷
シャングリラ会社』
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