惨劇

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「貴方達の邪魔をすること、だもの」 「……」 「うふふ……あはははは!」 マモンはそう言うと高笑いをして俺達を見た。と、辺りがだんだん薄暗くなり始めて天気が怪しくなる……。 ……まさか……! 俺は朱理を抱きかかえると、近くの高い木へと走り出した。嫌な予感がするんだ。 マモンは赤い唇をつり上げると、ゆっくりと手を高らかに挙げた。 刹那! 辺り一面を眩い光が目の前を支配したかと思うと同時に、耳をつんざくような轟音が鳴り響いたのだ! 突然の出来事に叫ぶ暇もなく俺は思わず尻餅をつき、朱理を落としてしまう。 だが……朱理には悪いがそれどころではない。 「……っ!!」 目の前の巨大な木は真っ二つに裂けており、焼け焦げてしまっているのだ。……言わずもがな、マモンの雷によって。 「私の能力の『雷』。本当の力はこんなものじゃないのよ?」 クスクスと小馬鹿にしたような笑いが静寂な空間に響く。
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