惨劇

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分厚い雲が空一面を覆っている。今にも降り出しそうな雰囲気。もし、降り出されたら俺達の負けは確定だろう。 水ほど電気を通しやすいものはない。だが……この戦いから逃げ出す訳にもいかないんだ。俺達はまだ、『月見影草の雫(ルナティック・ドロップ)』をとっていないんだから。 つまり……。 「お前を……、お前を倒さないと月見影草は手に入らない訳か……」 「ふふふ、当たりよ。坊や。安心してちょうだい。私もレベルは貴方達に合わせて1に設定しておくわ」 ただし、とマモンは続ける。妖艶な表情で俺達を見つめ、舌なめずりを1つ。 ぞくり、と背筋が震えた気がした。 「貴方達の今の状況をしっかり確認する事ね」 「……」 そうだ……。確かに不利だ。天候もそうだが何より朱理。朱理が既にやられている事事態が不利。……いや、待てよ。確か携帯に救急セットがあるらしいな……。 それさえマモンにバレずに朱理に使えたら……。出来るか? ……いや、やらないと駄目だ!
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