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……あんのバカ猿めっ! いったい何処へ行きやがった!
内心毒づきながらうちは猿本を探して森の中を走る。大体あの猿本とパートナーってだけでも気に食わないのに、アイツは直ぐに逃げやがる。
ふざけてるのかどうか知らないけど、一応うちと猿本はパートナー。
もし敵に襲われた時アイツが近くにいなかったら、うちは戦う術を持たない只の女になってしまう。多少現実世界では武道が強かったとは言え、鋭い牙や爪、魔法すら使えるモンスターに素手で勝てる訳ない。
うちは、うちなりにそう考えてる。
だからこそ、猿本の側に不本意ながらいるのにミッションクリアした途端、アイツとまた喧嘩をして逃がしてしまった。
ちくしょう、何でうちが毎回あのバカ猿を追い掛けなきゃいけねぇんだよっ!
そうイライラしながら追いかけてる時に、偶々出会った男女のペア。名前は確か……ソラとアカリ?
聞くと(って言うか見ると)猿本がソラにぶつかってしまったらしい。アホなアイツらしいドジだ。
でも、猿本がぶつかった奴らはなかなかの面構えをしていた。
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