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そんな事を思いながら猿本のあとをついて走る。うちは元々長距離は得意じゃないから、もうすでに足はヘトヘトだ……。
でも、不思議と猿本との差は伸びも縮みもしない。これはゲームの世界だからなのか? それとも、猿本がうちに合わせてくれてるから……?
そこまで考えて思わずうちは激しく頭を左右に振った。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いっ!!
もし後者ならうちは気持ち悪過ぎて死んでしまうっ! だいたい猿本にそんな優しさなんかあるわけないだろっ!?
そんな独り言を思いながら走っていたうちは、気付かなかったんだ。今走っている道が、うちらが月見影草の雫(ルナティック・ドロップ)を見つけた場所に向かってる、なんてな……。
それから暫く走って、漸くうちはその事実に気付いたんだ。
「……っ、猿本っ!! これ……っ、どういう……!?」
「うるせぇ、良いから走れよ」
うちが必死の思いで叫んでみても猿本は余裕そうな声での返答……。
あぁもう、本当にムカつくぜっ!!
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