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「よっ、と」
カチリ、と決定ボタンを押す音が聞こえるや否や、突如現れた氷の道。コイツの能力、『氷の技師(アイスメーカー)』の効果だとすぐにわかった。
周りの温度が急激に下がり、思わず身震いする。何度もコイツの能力を見ているが、うちはどうもこの能力は気に食わない。
と、そんな事を考えている内にも猿本は何も言わず、うちを今度は俵担ぎにしやがったんだ。
って、失礼過ぎるだろっ!!
「ぐっ、何しやがったんだよっ!」
「うるせぇ、耳元で喚くんじゃねぇよ! 阿呆犬!」
「何だと!?」
とか言い争いをする間にも猿本の野郎はさっき作った氷の道をスイスイ滑り出す。
俵担ぎにされてるため見える猿本の靴にはアイススケートをする靴みたいに、氷で出来た刃がついていた。コレで滑りを良くしてるんだろう。
……で。いろいろ不満はあるんだが、もういちいち言う気にもなれず(って言うか面倒だ)嫌がらせで猿本に全体重をかけてやった。
そしたら重いとかぬかしやがったから、取り敢えず背中を殴ってやったけどな。
どのくらい滑っただろう。かなりのスピードで滑っていた猿本が急に滑るのを止めたのは。
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