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シャアッ、と言う効果音と共に勢い良くブレーキをかける。そうかと思えば猿本はうちを担いだまま誰かに声をかけたのだ。
「おイタは其処までだ、悪魔」
……悪魔?
今、猿本は悪魔って言ったのか?
「……あら、邪魔はしないで欲しいわね。坊や達」
「俺様が来たからにはそうはいかさねぇぞ、悪魔のオバサン」
「なっ……!?」
明らかに相手を挑発している猿本。コイツのこの挑発癖は何とかならないもんなのか?
とか思ううちに、うちは猿本から漸く降ろされた。腹が圧迫されて死ぬかと思ったぜ。ちくしょう。
だが、うちはそこで漸く猿本が対峙している悪魔を見ることが出来た訳だ。悪魔は鞭を片手にわなわなと怒りに震えている。金髪の髪は風に揺れ、黒い羽は不機嫌に羽ばたく。
「……お前も悪魔なのか」
「当たり前だろ。悪魔は全部で7体しかいないんだ。んで、こんな黒い羽があるのは悪魔に決まってるだろーが。馬鹿犬」
「うるせぇよ、馬鹿猿!」
いちいちつっかかってきやがって、本当に腹立たしい!
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