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「上等じゃねぇか」
丁度さっきから(主に猿本のせいだけどな)イライラしてたんだ。このイライラをぶつけるには丁度良い相手に違いない。
うちは携帯をズボンのポケット取り出し開閉する。
横を見ると猿本も携帯を構えてた。コイツもやる気みたいだな。それなら話は早い。
「阿呆犬、悪魔狩りだ」
「言われなくともわかってるよ」
「戦う前に私の名前、教えてあげましょうか?」
ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべてうちらを見下す悪魔。
嗚呼、コイツマジでうちの大嫌いなタイプだわ。今すぐ殴りてぇ。
「いらん。お前のデータなら俺様達には既にある」
「……は?」
「そうだぜ、悪魔マモン。うちらには全て筒抜けさ」
その忌々しいくらいの美貌を持つ悪魔、マモンは顔を極端に歪めた。きっと訳がわかんねぇんだろうな。
無理もない。
戦ってもいない、ましてや自己紹介すらしてない相手に己を知られてる、なんてな。
うちは呆けてるマモンを余所に携帯を弄る。インストールするのはうちの能力『大鎌闘士(サイス・ファイター)』に必要な『大鎌』。
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