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羽を羽ばたかせ、空中にいる敵にうちの大鎌は届かない。だが、その『羽の動きを止めること』が出来たなら話は変わるだろ?
「……『凍結(フリーズ)』」
「な……っ!?」
驚きの声と共に地面に向かい墜落してくる悪魔マモン。その自慢であろう黒い羽は凍りついて動かせない状態だからな。
猿本の能力『氷の技師(アイス・メーカー)』は氷を自在に操る。悪魔みたいな上級魔物には効きにくく、すぐに氷は壊されてしまう。
だが、一瞬でも動きが止まればうちらのものだ。
「こんな、ものっ!!」
ぱりん、と音がして悪魔マモンの羽が纏っていた氷は壊された。地面からの距離はまだ3メートルくらいある。
ニヤリと笑みを浮かべる悪魔マモン。
……だが、次の瞬間。
悪魔マモンの金色の目は驚愕に見開かれ、信じられないものを見るような目でうちを見て来た。
そう。うちは今悪魔マモンの真正面にいるのだ。猿本によって一瞬にして形成された氷の階段を使って、な。
今度はうちがニヤリと口元を緩める番だぜ?
そのまま悪魔マモンに向けて勢い良く大鎌を振るう!
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