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俺たちがそんな会話をしていた時だった。街の奥から騒ぎ声が聞こえてきたのだ。俺たちは顔を見合わせて目配せをしたあと同時に走り出した。
勿論、向かう先は騒ぎ声のした方だ。
騒ぎに駆けつけると、人々が街の入り口に集まっていた。彼らの手には斧や鍬などが武器のようにして握られていた。
「……何かあったのか?」
「もうっ、そんなの見れば分かるでしょ! 行くよ、青空君!」
「……はいはい」
……いつの間にか主導権握られてないか?
しかし、朱理はそんなことは全く気にせず人を掻き分け進んで行く。……まぁ、仕方なく俺も続くんだがな。
「……ねぇ、どうしたんですか?」
「!? お嬢ちゃん、下がってろ! モンスターの群れが近付いているみたいなんだよ!」
「「!?」」
思わず息を飲んだ。何故なら、さっき町人に聞いた時は“滅多に”モンスターは街に現れない、と聞いていたからだ。
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