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夢の世界へ旅立っていた俺の耳に聞き慣れた騒音が入ってくる。
「ん……もう朝か……」
俺はダルい体を起こして煩く鳴り響く目覚まし時計を止めた。今日はせっかくの日曜日だ。だが、俺には特に予定もないため今日は一日中家にいようと決めていた。
時刻は8時。大きな欠伸を1つして、俺は自室から出てリビングに向かった。
親は今日も仕事。日曜日なのに大変だな、とか他人事のように思いつつ、テーブルの上に用意されていた朝食を温める。
どうやら今日は和食らしい。
茶碗にご飯を盛り、インスタントの味噌汁にお湯を注ぐ。そして、電子レンジで温めた煮物と焼き魚をテーブルに置き、食べ始めた。
食べていると、フと目に止まったテーブルの上に置かれた千円札。多分『昼食はこれで済ませてね』という母さんからの意図だろう。面倒くせぇ……。
……まぁ、面倒なのには変わりないが作るのは余計面倒だし……仕方ない、外食でもするか。そう決めて俺は食べた茶碗を洗い出した。
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