招待メール

3/6

297人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
夢の世界へ旅立っていた俺の耳に聞き慣れた騒音が入ってくる。 「ん……もう朝か……」 俺はダルい体を起こして煩く鳴り響く目覚まし時計を止めた。今日はせっかくの日曜日だ。だが、俺には特に予定もないため今日は一日中家にいようと決めていた。 時刻は8時。大きな欠伸を1つして、俺は自室から出てリビングに向かった。 親は今日も仕事。日曜日なのに大変だな、とか他人事のように思いつつ、テーブルの上に用意されていた朝食を温める。 どうやら今日は和食らしい。 茶碗にご飯を盛り、インスタントの味噌汁にお湯を注ぐ。そして、電子レンジで温めた煮物と焼き魚をテーブルに置き、食べ始めた。 食べていると、フと目に止まったテーブルの上に置かれた千円札。多分『昼食はこれで済ませてね』という母さんからの意図だろう。面倒くせぇ……。 ……まぁ、面倒なのには変わりないが作るのは余計面倒だし……仕方ない、外食でもするか。そう決めて俺は食べた茶碗を洗い出した。
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!

297人が本棚に入れています
本棚に追加