導く者

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「『神を決めるゲーム』……? この携帯ゲームでの勝者に与えられる称号とかの話か?」 「ううん、あ、いや……何て言えば良いのかな……」 俺の問いに朱理は複雑そうな表情を浮かべ、言葉を濁した。そして、暫く考え込んだあと、ようやく口を開いたのだった。 「今から話すことは信じられないかもしれないけど、紛れもなく全部事実なの。嘘や冗談は交えないから、聞いてくれる?」 朱理は真剣な眼差しで真っ直ぐ俺を見つめてきた。断るに断れないし、何よりゲームについての情報が足りない俺は、朱理の話を聞くことにした。 「まずは……、このゲームが作られた理由からにしようか」 「作られた理由?」 「そう。これはね、この国の再生のために作られたの」 「……は?」 余りに突拍子もない発言に、俺は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
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