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「この国の現状は青空君も知っているよね?」
「……?」
「発展し過ぎた科学。増えすぎた人口。腐った政府。外国に依存し過ぎた国。……この国は、異常とも言える早さで発展してしまったの」
「……かもな」
確かにそうかもしれない。テレビをつければどこの局も似たような事件しかやっていない。殺人事件や自殺やテロ。最近は確かに政治家の悪行のニュースも多いな。
……いや、でもこれは俺達にとっては“日常”とも言えるだろ……。
「そう。私達にはこんな狂った世界が“日常”になっているの……」
朱理は遠くを見てポツリポツリと言葉を吐き出すように呟く。
「……そして、数年前。ある1人の天才と呼ばれた子どもがこう口にした。『この国は、愚かな大人がダメにしている。そんな愚者達には神から罪を与えるべきだ!』……ってね」
朱理は苦笑してそう言った。
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