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俺も朱理も同じことを考えていたようで、同じことを口にした。
「“モンスター”、じゃなくて“悪魔”なんだな」
「うん……。悪魔とモンスターは別物みたいだね……」
そう。この文面にある“悪魔”と言う表現。あのブルーウルフみたいなものとはきっと違う敵なのだろう。
そうでなければ、こんな書き方はしない筈だからな……。
「……考えてても仕方ないよ。ミッションクリアを目指して次の町に行こう!」
「……朱理は短絡的なんだな……」
「え? 何か言った?」
「いや、何も」
どうやら俺の独り言は聞こえていなかったらしい。セーフ、だな。
しかし確かに朱理の言うことも一理ある。こんな初っ端からクリア出来ずデリート、なんてカッコ悪いしな。
「仕方ない。なら、行くか」
「うん!」
俺達はそうして、このゲームから抜け出すために旅を始めたのだった……。
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