悪魔の鎮魂歌

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ぼやける意識の中で朱理がアスタロトと戦っているのがわかる。朱理は様々な物を実体化させてアスタロトに当てようとしている。 しかし、アスタロトは素早く、簡単に避けてしまう。くそ……っ! 俺だって戦わないといけねぇのに……! 俺は気力で空気銃を持ち、眩む意識の中アスタロトに狙いを定める。額を切ったらしく、血が左目に入り開けない。 そんなこんなをしている内にアスタロトは徐々に朱理の元へ近付いて行っている。 アレ以上近くだとヤバい! 俺はとっさに引き金を引いた。乾いた音が鳴る。 「……面倒だなぁ。もう起きたんだ? 意外と早くてビックリだよ」 腕から一筋の血を流しながらアスタロトは俺の方を向いた。朱理も心配そうに駆け寄って来てくれた。 「ウーン……。油断し過ぎてたのかな? 面倒だけど……もう少し真面目にやるかな」
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