悪魔の鎮魂歌

14/27
前へ
/190ページ
次へ
アスタロトがそう言った瞬間だった。彼の掌に赤い……火の玉が現れたのだ。その炎はメラメラと激しく燃えたぎっている……。 「……これが、俺の能力ってヤツかな? 携帯にもあったでしょ?」 「……っ」 確かにあった。……しかし、こうして見ると何だかゲームの世界だか現実世界なのかわからなくなるな……。朱理もアスタロトの掌にある火の玉をジッと見ている。 アスタロトはそんな俺達の表情を一瞬見た後、サングラスをかけた。 「……さ。次はちゃんと真面目に行くよ?」 「! 朱理、逃げろ!!」 「ダメ! 私達パートナーなんだよ!? そんなこと出来ないっ!!」 朱理はそう言うと、俺達の最初の敵、ブルーウルフを大量に実体化させた。 俺も負けじと立ち上がり、銃をアスタロトに向ける。 「お願い、ブルーウルフ!」 「食らえっ!!」 その声と同時にブルーウルフの群と、空気銃はアスタロトに向かって勢い良く発射された。
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!

297人が本棚に入れています
本棚に追加