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「効かないね! ファイア・ボール!」
「きゃあっ!?」
「うわっ!?」
アスタロトが言葉を放った瞬間に、火の玉がブルーウルフに向かって放たれたのだ。
辺りは真っ白い煙に包まれる。視界が悪く、薄目しか開けられない……。
「……なっ!?」
煙が薄くなってきたので目を開けたのだが……、そこにはさっきまでいたブルーウルフの群が消え去っていたのだ。
軽く20匹はいたはずなのに……あの一撃で全滅したと言うのか?
「青空っ、後ろ!」
「っ!!」
朱理に叫ばれ、とっさに体を捻り、その場から逃げる。と、間一髪。アスタロトが狙ったらしい火の玉が顔の真横を通り過ぎたのだ。
「あつっ……」
火の玉が掠った頬が熱を持ったかのように熱い。あの悪魔は……本当に俺達を殺しにかかっているんだ、と再認識させられた。
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