悪魔の鎮魂歌

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「勿論、ソラ君が自分で見つけなきゃ意味がないから教えないけど」 アスタロトはそう言うとまた、ふわりと宙に浮いた。 考えろ。俺の能力は空気銃。普通に考えて見えない弾を発砲しているんだ。つまり、軌道は見えない筈……。 じゃあ、何故避けられるんだ……? 「青空……」 朱理が心配そうに見てくる……。心配なんてかけられないのに……。 ……待てよ? 避けられる、ってことは弾のスピードが遅いのか……? いや、でも銃で撃ってるんだし……。 ……そうか! 「おっ」 アスタロトに銃口を向ける。多分、これが避けられる原因なんだ。 しっかり狙いを絞って……、引き金を弾くっ!! 「……うん。まぁ合格、かな?」 アスタロトの頬から鮮血が流れている。やっぱり俺の考えは当たっていたんだ。 当たらなかった原因。それは、“空気を圧縮する力が足りなかった”ってことだ。 つまり、スピードが出てなかったんだ……。
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