悪魔の鎮魂歌

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「……倒した……」 「うん。私達の勝ちだよ」 勝った。 確かに俺達は勝った。だが……何故だろう、後味が悪い。 これはゲーム……。アイツはデータの筈なのに……。 朱理が能力を操るのを止めたため、水の柱は勢いを失い、地面に叩きつけられるようにして散った。 所々にある赤い水が、罪悪感でいっぱいにさせる……。 「……ヤダなぁ。勝手に消滅したようにするのヤメテほしいなぁ……」 「「!?」」 すぐ側で聞こえてきたテノールの声に俺達は振り返った。 するとそこには、さっき水の柱に巻き込まれて消滅したはずのアスタロトの姿があったのだ。 「なっ……!?」 「何で生きて……!?」 「だからー。俺はデータなんだってば。バックアップくらいすぐ出来るんだよ」 よく見れば俺のつけた筈の傷は全て綺麗に消えている……。
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