休息

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「うん、そうだよ」 「あなた達もですよね?」 その言葉に雪と朱理は答えた。それを聞いて、男達は見るからに安堵した様子でその場にへたり込んだ。 額にはうっすら汗が滲んでいる。 片方の男は黒髪で、もう片方の俺達に話し掛けて来た男はオレンジがかかったような濃いめの金髪だ。 黒髪の方は俺達より年下のような印象を受けた。まだ幼さの残る顔立ちと言う感じか? 逆に金髪の方は見るからに俺達より年上だ。大人の落ち着いた雰囲気が感じられる。しかし、さっきの様子から親しみ易そうな人だと思った。 「……お前ら、まだここがゴールじゃねぇぞ? まさか悪魔退治を忘れてねぇか?」 「……あ」 「……」 武琉の言葉のあと、暫く沈黙が続いた。そして、金髪の方が先に立ち上がり、叫びだした。 「そーだった!! 悪魔退治しないとミッションクリアじゃねぇぇぇっ!!」 ……前言撤回。彼から大人の雰囲気は感じられなかった。
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