休息

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「マジか」 「マジだ」 ……この距離なのに武琉は聞こえないと思っていたらしい。……いやでも聞こえるわ。 取り敢えず、俺は雪に貰った乾電池式の充電器を自分の携帯に差し込んだ。 これで今日は何とか持つだろう。……多分。 次のミッションが配信されるまであと10分程度。そろそろさっきの参加者達が戻って来そうな気がした。 と、俺の予想通り、広場の入口が一瞬歪んだ。 「ふぃー……。いやぁ、アスタロトの奴強かったなぁー」 「そうだね……」 「お、さっきの人達。まだいたのか」 入口から出て来た金髪の青年と黒髪の少年は大した傷を追わず、クリアしたようだ。 ……何となく。何となくだが、俺達の立場がないな。 「次のミッション発動まで、ここから動くのは得策じゃないから」 「だから待っているんです」 「成る程、成る程。それは一理ある」 雪と朱理の言葉に金髪の青年は、何故か感心したように何度か頷いた。
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