野性丸出し

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食事の日   スライドドアに手をかけただけで勢いよく飛び付いて ガラスに顔を打ち付けるのは、我が家で一番のフライング野郎のオハナだ。 私の影を追うように、狙いを定めている。   ん?言っておくが私はすげーデカイよ?   そんなのんきなジョークをかましてる場合ではない。   給餌は飼育の醍醐味だ。 と同時に危険が隣り合わせ。 なんともスリル満点なイベント。     オハナは 姿が見えていると狙ってくるので、死角に立たなくてはいけない。   長い棒などで立ち位置より遠くを叩いてオハナの注意をそらす。  の、だ、が…   敵もかなり賢いもので 最近はあまり騙されなくなってきている(笑)   姿なき私を確実にチェケラ、ロックオンして動かない。   やっとのこと、わずかな隙をついて 10センチ程開けたドアの隙間から獲物を投げ込み、 すばやく閉める。    な、の、だ、が…   手にかいた汗や、焦りで 閉められない事もある。 取っ手などなにもない重いガラス。   容赦なく隙間目掛けて斜めに突っ込んでくるオハナ。   頭をねじ込まれたらドアが開いてしまう!!   出て来たら100パーセント狩られるじゃないか(汗)わたしっ!!    ハァハァハァ…   獲物を投げ込んでからここまでで 時間にするとわずかに2秒程の出来事(笑)   考える余裕なんかはない。 とっさの判断で動くわけだが 一歩間違うとケガをさせてしまう事にもなりかねない。あるいは双方共倒れに…   さあ!隙間目掛けて突っ込んできたオハナ。ごり押しでドアを閉める人間!   間に合うのかっ?!    
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