彼との出会い

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先日、学園時代の同期を見掛けた。   いや…彼かも知れない人物と言ったほうが正しいか。   32歳にして、その頭が完全にハゲ上がっていたからだ。   普段、毒舌な私でも話し掛けるのをためらうぐらいだ。   ヤバイ。 ここで行かなかったらオレじゃない。   そう勇気を振り絞り私は彼に言い放つ。   私「なんか…大変なことになってるな」 もちろん目線は上だ。  彼「まぁな」   私「なんか森本ひちょりみたいだぜ」   彼「まぁな」   しまったか? これはアウトか?セーフか? とりあえず話題を変えよう。   私「どうだ?もう結婚とかした?」   彼「おう。最近な子供もできた」   私「マジで?その頭で?」   彼「…マニアがいるんだよマニアが」 なぜか含み笑いだ。   私「そうか…おめでとう。子供がピッコロみたいじゃ無いことを祈るよ」 …失敗か? また頭の話題になった。   彼「そろそろ行くわ」 頭が寒いでよ   なんかごめんなさい。   もう既に32歳を遥かに越え、定年間際に見える彼は「よっこらしょ」と言いながら去って行った。     何もかも爺臭いよ
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