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人気の無い森に一人で涙を流している者、霧子は大切な人を亡くした。
その者はこの森で死んだ。正確に言えば、殺されたのだが。
それ以来、霧子は女で有るのを辞めてしまった。
男の格好をし、男の様に振る舞う。
その為、一族からは煙たがられた。
それでも構わないと霧子は思った。
男でいないと己を保てない。
その為に霧子は男の様に振る舞う。
森から帰宅する為、帰路の人々の賑わう都を通る。
そこである噂を耳にした。
―――夜中に鬼が現れる。
人々は異国の者、青い目や金髪の容姿をした者を鬼と呼ぶ。
異能の力を持っていると人々は噂をする。この島国では異人を受け付けないのだ。
霧子は外見の違いで鬼扱いするなど馬鹿馬鹿しいと思った。
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