霧子

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伸彦は思う。 霧子がこうなったのは自分のせいだ。 霧子に深い傷痕を残してしまった。 狩衣姿の愛しい妹。 まるで卑しいとされる白拍子の様なその姿に哀しみを抱かずにはいられなかった。 「兄様、今の俺には女人に戻る気などありません。」 一礼すると素早く敷居へと去って行った。
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