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松阪は体を起こすと、緩慢な動作でコーヒーメーカーまで移動し、昨夜作ったコーヒーをマグカップになみなみと注ぐと一気に飲み干した。 浅井はそんな松阪の姿を横目に見てクスリと笑う。 「さてと」 浅井は最近毎朝の日課になっている松阪のデスクの上の整理しだした時、デスクの上に置いてあった松阪の携帯電話が鳴った。 「教授、お電話ですよ」 浅井は2杯目のコーヒーを飲もうとしている松阪に携帯を渡した。 松阪はコーヒーを持ったまま片手で携帯を開く。ディスプレイには、 非通知 と表示されているのを見て携帯を閉じた。 「宜しいんですか?」 浅井が尋ねる。 「こんな朝っぱらから非通知なんて、どーせろくな相手じゃないよ。だいたいやましい事があるから非通知なんかでかけてくるんだよ」 「非通知だったんですか?」 「ん」 松阪は再び携帯を開き、ディスプレイに着信履歴を表示させて浅井に突き出す様に見せた。 その時、再び、携帯が突き出した松坂の手の中で着信音と共に震え出した。
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