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松阪は持っていた携帯の着信画面を面倒臭そうに見て嫌な顔をした。
「まったく……
何だって言うんだよ……」
面倒臭そうに通話ボタンを押し、携帯を耳にあてる。
「松阪教授の携帯電話で間違いないでしょうか?」
電話の向こう側から男の緊張した声が聞こえる。
「はあ……
そうですけどね、お宅どちらさん?」
「突然のお電話で申し訳ありません。私、厚生省所属の防疫対策センターに勤務している加藤と申します。
先程、チームの責任者でもある岩間さんから貴方を至急チームに加える様連絡がありまして……」
「え?岩間って岩間先生の事ですか?」
松阪は岩間と言う名前を聞いて、昨年学会で激しく討論した岩間医学博士を思い出した。
「ええ、日本医科大学教授の岩間博士です。
とにかく向かえの車が既にそちらに向かっていますので詳しい話しはこちらに着いてからと言う事で。」
「おいおい……
向かえってのは何の事だよ?」
松坂がそう言い切る前に、加藤は電話を切っていた。
「教授、どんな内容のお電話だったんですか?」
浅井が少し心配そうに松阪に聞いた。
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