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山南もお猪口を置いてその肩を抱く。
「私は…初めて君に会った時からかな。」
「フフッ…うちもそう…お互いに一目惚れやったんやね…」
二人は顔を見合せ照れ臭そうに微笑んだ。
こうしている間にも切腹への刻限は近づいていた。
だが決してお互いにそれを口にする事は無かった…
こうしている時間があまりに幸せすぎて…
止まってしまうのが残酷すぎて…
だが二人にはどうする事も出来なかった。
「山南はん…」
ふいに女が口を開く。
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