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明里…と呼ばれた遊女は勢いよく山南に抱きついた。
「最近ちっとも来てくれへんから心配しとったんよ?!」
先程の優雅な物腰から打って変わって、まるで少女の様だ。
山南はそっと抱きしめ
「すまないね…忙しくて。」
すると女は満面の笑みを見せ
「えぇんよ。こうして会いに来てくれたんやから!」
と言う。
山南もつられて微笑んだ。
「今日はどのくらい居られるん??」
何時もは来ても直ぐに帰ってしまう男を思い、心配そうに女が聞く。
「そうだね…今日は暫く居られるよ。」
女の顔が綻ぶのが分かる。
それを隠すように胸に顔を埋めた。
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