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お后様の趣味で白雪はいつも女の子の格好をさせられていました。
それがとても似合っていて、大きくなるに連れて女装をした白雪は、どんどん綺麗になっていきました。
七歳になるとお日様のようにキラキラして、女装した男の子だったのですが、お后様より綺麗になりました。
ある時、お后様が鏡に聞きました。
「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのは誰?」
鏡は答えました。
「お后様。お后様がここでは一番お美しい。しかし、女装をした白雪の方が何千倍も美しい。」
これを聞いたお后様は驚き、妬ましくて妬ましくて真っ赤になったり青白くなったりしました。
この時からというもの、女装姿の白雪を見るたび胸の心臓がひっくり返りそうになりました。
お后様は白雪が憎くて憎くてたまりませんでした。
妬ましい気持ちと、女装をさせた自分の息子に負けて悔しいという気持ちが心の中で増幅し、夜も昼もじっとしていられませんでした。
お后様は猟師を呼んで言いました。
「あの子を森に連れて行っておくれ。もう見るのも嫌。あの子を殺して、その証拠に肺と肝を持ってきなさい。」
猟師は言われた通りに、白雪を森に連れ出し、刀を取り出しました。
そうして何も悪い事をしていない白雪の心臓を突き刺そうとすると、白雪は泣き出して言いました。
「猟師さん、殺さないで。僕、森の中に行って、もう絶対家には戻ってこないから。」
あまりにも幼い白雪が猟師は可哀想だと思ってこう言いました。
「では、お逃げなさい。可哀想な王子様。」
猟師は獣にすぐに食べられてしまうだろうと思いました。
そして、猟師は自分で殺さずに済んでホッとしました。
そこに丁度猪が走ってきたので、猟師は刺し殺して肺と肝を取り出し、お后様に白雪が死んだ証拠として持って帰りました。
コックさんがそれを塩漬けにして、お后様が食べました。
お后様は白雪の肺と肝を食べたと思っていたのでした。
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