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第三話
「これから…どうしろってのよ…っ」
アリシアはうつ向き、そして何気無く草原や森を見つめた。
科学の進歩したアリシアの世界では先ずお目に掛れない風景だ。
アリシアは胸いっぱいに新鮮な空気を吸い込み、パンっと自分の頬を両手で叩くと、アリシアは目の前の森へと歩を進め出した。
立ち止まってる訳にはいかないものね…?
アリシアは自分に言い聞かせ、森を進む。
暫く歩んで行くと不自然なまでに大きな大木に不自然な穴がまるで入り口の様に、誘う様にぽっかりと空いてるではないか。
何かしら、これ…??
誘い込まれる様にアリシアは其処を除きこんだ。
するといきなり耳に痛い声が鼓膜に飛込んできたのだ!!
「やぃやぃ!オィラの店に何の用だぃ?!ダサイ服着たねぇちゃんよぅ!」
アリシアはビクリと肩を揺らし、声のする後ろを振り返った。
「あ、私は…」
「何の用も無しに服屋をウィンドショッピングかぃ?」
振り向いた先には小さな…アリシアの掌くらいの大きさの少年が居た。
ニヤッと笑みで笑う三角帽子の男の子だった。
手には大きな針を持ち、腰には糸をしまい込んだポシェットをベルトで巻き付けている。
「ダサイって何よ…お姉ちゃんが選んだんだから私の趣味じゃ無いわ!!」
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