10人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が風呂場を出ると、それに続いて猫も出る。
身体を拭き、髪を乾かす。
身体を拭き、毛並みを乾かす。
そしてリビングへと移動する。そこを見ただけで俺が一人で住んでいることが分かるようだった。
使ったままの食器、蓋が開いているが、まだ中に入っているペットボトルのお茶。脱ぎっぱなしの服。……。
今の俺の心境は、急に彼女が来て、こんなことならちゃんと片付けとくんだった…、という心境と似たようなものだった。
後で片付けるか…、と開き直り、俺は冷蔵庫を開ける。だがすぐ閉めた。
「猫はやっぱキャットフードかな?」
俺は店に買いに行こうとすると、それを止めるかのように、猫は俺の右足にしがみついた。
最初のコメントを投稿しよう!