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「…ぅあぁっ!!!?」
ライは大きな悲鳴と共に飛び起きた。
「きゃぁっ?!!」
「っ…?……ディア。」
「いきなり大きな悲鳴あげるから驚いたわ。どうしたの?」
ディアは気を取り直してそう聞いた。
「…ゆ…め…を見てたんだ。」
少し顔色が曇るライ。
「夢……?」
「あぁ…。多分あれは、俺の過去…だと思う。」
「…どんなモノだったのか、嫌じゃなければ話てもらえないかしら…?」
ディアがそうたずねるとライは少しずつ話始めた。
「……小さい俺が、泣いてるんだ。」
「泣いて…る…?」
「そう、泣いていた。母親らしき女の人の横でね。」
そしてライは自分の手を見ながらこう言った。
「血を流して倒れている母親の横で、手を血で汚して…泣きながら謝ってた……。」
「っ………。」
ディアは何て言っていいのかわからずに少し戸惑った。
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