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「僕は男です!!よく、女の子に間違えられますけど…。」
「ご、ごめんなさい!」
「ごめんな…。」
ディアとライは謝った。すると黒髪の少年は微笑み許してくれた。
とても心優しい少年だ。
「あっ、僕は"イナン・グレイシャス"といいます。」
「私はディアよ。」
「俺はライ。」
自己紹介を終え話を戻した。
「僕は、ちょっと用があって街から離れてたんです。」
「じゃあ、何故街が大変だとわかったの?」
「街から逃げてきた人に聞いたんです。」
そしてイナンは崩れた小さな家を指差した。
「あの家は僕のお祖母さんの家で…僕の家でもあったんです。」
「もしかして、祖母さんや街の人は…。」
「はい。多分兵隊…トリント国の兵隊に連れて行かれたんだと思います。理由はわかりません…。街を壊して、人を連れ去るなんて…。」
イナンは、ネックレスを握り締めた。
「…そのネックレス、キレイね。」
イナンのネックレスをまじまじと見てみる。
だが、あまり見たことのない石が小さなガラスの中に入っている。
「キレイな色の石だなぁ~。」
「珍しい石ね。何ていうの?」
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