木枯らし

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そのセミナーの内容はグループワークの練習というようなものだった。 今日のグループワークは思いの外上手くいった。 たまたま選ばれたグループメンバーの息があっていて活発な議論となった。 今日は楽しかったな。 セミナーも終わったし、さっきのメール返信しよかな。 輝明がそう思い携帯を取り出したところ声をかけられた。 なあ、輝明くんも行くっしょ? どうもグループメンバーでこれから飲みに行く話しが進んでいたようだ。 ああ、もちろん。 今日のグループはなんか馬があったし、志望業界も同じ奴が揃ってる。 飲みに行ったら楽しそうだ。 人との出会いは大切にしないとな。 なんか、こうやって座ってると合コンみたいだな。 一人が笑いながら言う。 確かに男女三人ずつで初対面の人間が飲んでる光景ははた目から見たら合コンかもしれない。 その後は就活の話や各々の学生時代の話などしながらお酒がぐんぐん進む。 やはりみんな大学生である。 日頃の就活のストレスを発散するようにお酒を飲んでいく。 みんな様々な学生時代を過ごして来て、これからの人生にちろんな考えを持ちながら生きてる。 そんな中たまたまみんな今日同じグループになってこうやって一緒に飲んでる。 なんか人って面白いな。 俺はこれからもっといろんな人に出会っていく。 決められた人間ばかりでなくもっといろいろな人間と出会っていこう。 それってマジ楽しみ。 輝明が酔ってそんなことを考えていると左側に温かい重み。 女の子の一人が酔って眠くなってしまったようだ。 つ、つかさちゃん… 名前呼んでも反応は特にない。 まだまだ女子大生の着慣れないスーツの感じはよく見る私服とは違う良さがある。 それにシャツの間から白い肌の谷間がのぞく。 悪くない。 輝明はつかさにそのまま身体の左側の貸し出しを許すことにして、他のメンバーとの会話に戻る。 その日は終電近くまで飲んで家に帰ったらそのままベッドへと飛び込んだ。 もちろん亜美のメールに返信している余裕など輝明にはなかった。
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