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亜美、今日のサークルはいいと思うよ。
先輩が優しくていい人ばっかで楽しいんだ。
私たぶんここ入るし。
弾んでいる美樹の声が耳に届いてくる。美樹はこっちに来て入学式でたまたま会った友達。
地元がこっちなため、もともと大学に友達も多い。
へぇ、良さそうだね。
わたしも楽しみ。
どうせ、いつもと変わんないんだろうな。と思いながらも友人が褒めているサークルのことは少し気になった。
正直サークルについてはどうしようか迷っている。
大学において学問系のサークルに入って勉学に邁進する、それは大学に来るまでの計画。
しかしそれも自分の中の大学のイメージの変化と共に変わっていた。
ホットスタートの新歓コンパに来た新入生はこっちだよ~。
サークルの誘導係が大きな声と身振りで呼び寄せていた。
その誘導係に連れられ他の一年生と一緒に店へと向かう。
君らはあっちね。
上級生に指示された通りに美樹と机につく。
いつもと全く同じ感じ。
店さえも三日前のサークルと一緒だ。
安っぽく雑多な店の中ぎゅうぎゅう詰めで座る。
席の近い人達と簡単な自己紹介をかわし、ちょっと会話をする。
そんな時だった。
がくせいちゅ~も~く!!
そこで亜美は見た。そして彼のことを知ることとなった。
亜美にとって幸福であったか不幸であったかわからない出会い。
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