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願いも虚しく、楽しい時間は過ぎていった。
「あっ…もう時間か」
「えっ‥」
「…じゃあ、もう帰るな?」
席を立つ翔太につい下を向いてしまう。
(行って欲しくない…な…)
ずっと下を向いていると、ふと頭の上に感じる手。
私は上を見上げる。
「明日はできるだけ早く来るから…な?」
そう、優しく言って唇にキスを落とす。
そして照れ笑いをしながら、後ろ歩きで出て行く。
そんな翔太に手を振って…
そしてまた、静寂が訪れる。
そしてまた、暗闇が私を包み込んだ…――。
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