02,-Dear..-

3/4
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
― コンコン 「瑞希、入るよ」 優しいトーンの声が扉の向こうから聞こえてくる。 間も無く入ってきたその人は、まっすぐに私のほうに向かってきて、微笑む。 そして 「瑞希…」 消え入りそうな声で、私を抱き締めた。 それは、壊れ物を扱うように優しくて、 それは…消える物を扱うように力強くて 「しょ…翔太…?」 まるで、私が今にも消えてしまう物の様に まるで、私が今、生きているか確認する様に… 私を優しく、暖かく包みこんでくれる翔太。 できるならこのまま…時間が止まってしまえばいいのに…――
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!