《誰かの為に》

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私が顔を上げると、 太一さんが話しかけてきた。 「…準備終わったすか?」 「あ、はい!」 私はコクリと、うなずいた。 更に太一さんは、続ける。 「舞って、 従えてる魔物いたんすね。 凄いすよ!」 「太一さんは、 いないんですか?」 私は気になり、尋ねてみた。 「従えた事あるすけど、 すぐに逃げられたすよ」 太一さんは、 気まずそうに苦笑いした。 「…えっ?」 逃げられる事もあるんだ? …そう言えばアメリーも昔、 『裏切るかもしれない』 と言っていた気がする。 だけど今は、 そんな心配はない。 私はそう信じているのだが。 すると太一さんは、 更に、発言をしてきた。 「まだ、僕の場合、 逃げられただけで 良かったっすけど。 …酷い場合、 襲ってきたりする らしいっすから…」 ……襲う? と言うことは、 つまりプレイヤーに 戦闘を仕掛けてくるのか。 私が黙りこんでいると、 太一さんは、 話題を変えてきた。 「…さっ、 じゃあそろそろ 戦闘開始するすよ!」
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