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『神沢…この名前、わたし覚えある』 アメリーは、はっきりとそう言った。 「えっ?!」 思わず言葉が漏れる。 一体…どういうことなんだろう? なぜ、アメリーは、 この人物を知っているんだ…? そもそもアメリーは、 ナイトメア内の、ただの敵キャラの一人だったはずだ。 ――いや、まてよ……。 わたしは静かに口を開けた。 「…ねえ、アメリー。 わたしと戦った時のこと、 ……覚えてる?」 するとアメリーは、 考え込む様な仕草をした。 『戦ったのは覚えてる。 でもそれだけしか思い出せない。 ねえ、舞……、 わたし舞に何したの? ねえっ!』 アメリーはゲーム内から、悲痛な声を上げる。 …記憶が曖昧…。 覚えていない? ……これは何かありそうだ。 前々から思っていたが、 頭脳戦時のアメリーと、 現在のアメリーでは、 ギャップがあるのだ。 まず幼くなった気がする。 そして、なにより人間くさくなった。 もはやプログラム上の処理とは考えがたい。 アメリーには感情がある。 私なりに、仮説を立てるとこうだ。 まず頭脳戦時のアメリーには、ロックの様な物がされていた。 言ってみれば、つくられた性格だ。 それが、なにかの拍子に解け、現在にいたる。 …そして今の姿が、アメリーの本当の姿。 …わたしはそう思うのだが。
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