284469人が本棚に入れています
本棚に追加
/689ページ
――まぶしい!
そのまばゆい光に我慢できず、私は目を閉じた。
再び目を開けた時……そこにはもう、あの水晶はおろか、暗闇の世界はなかった。
元の世界に戻った……いや、私達は悪夢から目覚めたのだ。
――現在、テーブルの椅子に座っている私と朝霧さん。
思わず顔を見合わせる。
それと同時に、回りのテーブルから、一斉に歓声が上がった。
そして回りから皆が駆け寄ってくる。
私達を取り囲むように、人混みができた。
「目を覚ましたわ!」
「おおーっ!クリアしたんだな」
皆が喜びの声をあげ、騒いでいる。
「おい、テメエら静かにしやがれ!
騒ぐのはまだ早い」
その騒ぎを、私達の前にいた杉浦さんが一喝した。
少々ザワついた後、辺りはすぐに静かになる。
杉浦さんは更に続けた。
「お前ら、ホントにクリアしたんだな?」
「はい、もちろんです」
朝霧さんが深く頷く。
私も同じく頷いてみせた。
「……ふっ」
杉浦さんは、よくやったと言わんばかりの微笑。
「なかなかやるじゃねえか、上等だ。
……舞、朝霧、早速詳細を俺に聞かせろ。
今後の対策を練りたい」
「……あっ!
僕も聞きたいっす!」
それを聞いた太一が、慌てて人混みをかきわけ、杉浦さんの隣にやって来た。
最初のコメントを投稿しよう!